ハズの世界

サライ７月号から始まった連載「半島をゆく」を読みながら

ふと、日本に半島って、一体、いくつくらいあるんだろう？と思い

昨晩、グーグルマップを北から調べ始めたんですが

眠たくなってやめました

 

地図で調べるのは面倒なのでwikipediaを見たら・・・

 

５４だそうです

 

日本は島国なのでもう少したくさんあるのかと思っていました

 

半島とは三方を水（海・川・湖）に面している陸地

私がもう少したくさんあるんではないかと思ったのは

たぶん「岬」もその数の中に入れていたのかもしれません

 

愛知県には２つの半島があります

知多半島と渥美半島

 

平城京から出土した木簡によれば

知多半島の先端部、そして篠島、日間賀島も古くは三河国幡豆（はず）郡でした

 

現在は幡豆郡という地名はなくなってしまいました（西尾市に編入）

 

西尾市吉良町にちょこんと突き出た岬があります

三河湾を一望できる岬で

そこに７０２年に創建されたという幡頭（はず）神社があります

 

ご祭神は建稲種命（たけいなだねのみこと）

日本武尊の東征の際に副将軍として従ったとされています

 

知多半島の先端に羽豆（はず）岬があります

ＳＫＥ４８の「羽豆岬」で一躍脚光を浴びた、あの羽豆岬

その岬に羽豆神社があります

 

幡豆、幡頭、羽豆

 

残念ながら渥美半島には「ハズ」の地名は残っていませんが

三重県志摩から知多半島の先端、かつての幡豆郡、そして渥美半島

古代は、この一帯を「ハズ」とくくっていたようです

 

サライのこの半島をゆくシリーズ

この先、どんな展開になるのか非常に楽しみです

知多半島に洛中洛外図屏風があるんです

今月のサライ７月号から新連載がスタートしました

 

丹念に歩き　埋もれた史跡を再発見する　謎解き歴史紀行

「半島をゆく」

 

文：安部龍太郎

型画：西のぼる

解説：藤田達生

 

その記念すべき第１話は

知多半島でした

 

その①　謎の洛中洛外図

 

えぇぇぇぇ？知多半島に洛中洛外図屏風があるってか？

 

なんでも大坂の陣の際

城から密かに脱出した豊臣方の姫君が乗船していた御座船（ござぶね）に

その洛中洛外図屏風が乗っていたらしい

 

御座船を乗っ取った稲生重政が姫君共々お持ち帰り

屏風は重政の主君である尾張藩船奉行の千賀志摩守から

師崎の延命寺に寄進されたそうです

 

ということで

師崎の延命寺に洛中洛外図屏風　六曲一双があるんです

 

落款がないので作者は不明

 

右隻には御所と方広寺や豊国廟のある豊臣エリアが

左隻には二条城を中心とした徳川エリアが描かれています

 

よ～く見ると

どうもこの屏風は徳川の世を寿ぐ意図で描かれてものだそうで

それがなぜ豊臣家にあったのか

そしてそれをなぜ姫君が

わざわざ御座船に乗せてまでして持ち出そうとしたのか・・・

 

謎の洛中洛外図屏風です

 

この屏風は数年に一度の公開ですが

本堂ではレプリカが常時展示されているそうです

 

延命寺の近くには千賀家の屋敷跡もあります

 

知多半島のシリーズが終わったら

まとめてチェックに行きたいと思います



ところで

２０１６年の大河ドラマ「真田丸」の主人公、真田幸村役を

堺雅人さんが演じることになりました

幸村役にはちょっと線が細いんでは？なんて思ったりもしましたが

三谷幸喜さんが脚本なので

またひと味違った真田幸村が楽しめるんではないかと

今からわくわくしています

古代の紫を守る

阿久比町の花かつみ園に行ってきました

 

阿久比町では野生菖蒲（ノハナショウブ）のことを

「花かつみ（花勝見）」と呼んでいます

アヤメ科の多年草

菖蒲と比べると、ちょっと小さめ

 

万葉集に

中臣女郎が大伴家持に贈った歌があります

 

をみなえし　佐紀澤に生ふる　花かつみ

かつても知らぬ　戀もするかも

 

この花かつみ・・・、あの松尾芭蕉もあちこち探したようですが

どうも見つからなかったらしく幻の花とされていました

 

もし芭蕉さんが知多半島にまで足を伸ばして

この花かつみを見たら

一体、どんな句を詠んだんでしょうか？

 

しかし、この花かつみ

大正初期、幻の花と騒がれたため盗掘され絶滅してしまったそうです

 

いやいや、どこかに残っているはず・・・と

昭和になって阿久比町の植物愛好家の俳人が必死で探したところ・・・

 

１株だけ残っていました

 

この１株が今では約２５００株にまで増え

草木にあるデンソー阿久比製作所の近くで咲いています

 

紫、ピンク、白、黄色・・・と

年々、カラフルに改良されていく花菖蒲も好きですが

 

古の紫を守り続ける

そんな花かつみも素敵だと思います

 

花かつみ園の一般公開は、６月２２日まで