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ジュンパ・ラヒリの「見知らぬ場所」を読みました。ちょうど第二部の「ヘーマとカウシク」を読んでいるときに、ムンバイ同時テロのニュースが飛び込んできて、ちょっとびっくり。ジュンパ・ラヒリはロンドン生まれのベンガル人女流作家。私は彼女の書いたものは全部読んでいます。デビュー作であり、いきなりピューリツァー賞に輝いた短編集「停電の夜」、映画化された2作目の長編「その名にちなんで」、そして今回読んだ短編集「見知らぬ場所」。
あまり、というか全く見知らぬ国だったインドでしたが、ラヒリを読んで、少しずつ見えてきました。ただラヒリはインドで生まれ育ったわけではないので、インドは時々里帰りするだけの国、彼女の物語の舞台はあくまでも欧米です。両親はインドで育ち、その教養と技術をかわれて欧米で働いているというポジションの人たち、つまり生活にきゅうきゅうとしているというクラスの人たちではありません。言語に不自由することもなく、フツーに欧米人たちの中で生活している人たちだからこそ感じる、同じなのに、やっぱりどこかにある境界線、その境界線は家族間にもあって、親世代の根っこはインド、子世代にとってはそのインドは外国でしかなく、そこから生じる悩みやほころびを抱える家族たち、私のような年齢のものが読むと、どちらの世代の気持ちもよくわかります。
息子が通う高校にひとりインドの娘さんがいます。入学式はご両親ともに出席され、グレー色の体育館の中で、お母様のサリーはひときわ異彩を放っていらっしゃいました。おふたりともエリートっていう感じで、まさにラヒリの物語の主人公のようなご夫婦、ラヒリの本を読むと、いつもこのご家族がオーバーラップします。
日本とインドの時差は3.5時間。あらららら、セントレア空港からはインド便、ありません。成田か関空から飛ぶか、香港かバンコクあたりでトランジットするしかないのですね。と思ったら、バンコクは空港閉鎖のため、便はすべて欠航・・・、近くて遠いアジアです。
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