わが町知多半島に空港ができました。セントレア空港。いつでも飛んでいけるぞ、空の彼方へ、考えただけで幸せな気分。飛行機見ながら、ちょい福求めてぶらぶら歩いてみようかな、と。
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久しぶりに「源氏物語」を読んでいます。
いづれの御時にか、女御・更衣あまたさぶらひたまひけるなかに
いと、やむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。
すでに大学受験から数十年経っていますが、結構、覚えているもんですね。
でも高校の古文の授業ってつまんなかったなぁ。
物語を楽しむんじゃなく、ひたすら文法の勉強ばっかりで・・・
通釈だけ、さくっと読んで、受験に必要な語句と文法だけ、さくっと覚えて
これって、つまり光源氏の女遍歴なわけね、で、済ましていました。
大学は英語専攻でしたし・・・。
今から10数年くらい前に瀬戸内寂聴さんの現代訳が出て
「源氏物語」ちょっと読んでみようかな、と。
これが、すごく面白かったんですよ。
こんな長大でしかもこんな面白い物語が
1000年も前に書かれていたということに驚きました。
光源氏の女遍歴という単なる恋愛小説で終わっていなかったんだね。
紫式部さん、ごめんなさい。
娘を後宮に入れて、しっかり天皇家の外戚になって
権力を欲しいままにする当時の貴族たち・・・
「源氏物語」は政治小説でもあるわけで・・・
面白くないわけがないんです!
そんな政争渦巻く宮中で、ひときわ輝く源氏の君・・・
だけどねぇ・・・
いくら源氏の君がめっちゃイケメンで、しかも頭もよくって
歌も舞もうまいわ、琴を弾かせれば天下一だとか、書画も一流
ありえないくらいに、なんでもかんでも超一流な男だからって
そりゃあ、女にもてるのは当たり前なのはわかるけど・・・。
もちろん今とは結婚のスタイルが違うのもわかるけど・・・。
だからって・・・。
夕顔が死んだあと、さすがの源氏の君も体調崩して死にそうになります
が、不死鳥のように蘇り
お子ちゃまな若紫(のちの紫上)を見初めたかと思えば
藤壺(父桐壺帝の妻)の閨に忍び込み
かと思えば、あの不細工な末摘花にまで手を出して・・・
あんた、いい加減にしなさい!
と、ときにヒートアップしてしまうこともあって・・・。
1000年後に読んだおばさんも、光源氏に翻弄されて、恋やつれしました(嘘)。
あまりに面白かったので
実は、寂聴さんの現代訳を読んだあと
ちょっと原文を読んでみようかな、なんて、大それたこと考えたんです。
で、本屋さんの参考書コーナーで、パラパラやってみたんですが
う~む、手強い、「やっぱり、無理」と退散した次第・・・。
それが、なんと、出たんですよ、原文に忠実な
でも非常に読みやすく、かつ面白い「源氏物語」が。
林望(はやしのぼる)先生の「謹訳源氏物語」。
全54帖完全現代語訳です。
林望先生というよりもリンボウ先生といった方がわかりやすいですね。
これ、全10巻です。
今年、すでに4巻まで出ました。
来年、5~8巻、再来年、9~10巻の予定だそうです。
俗に雨夜の品定めといわれている「帚木(ははきぎ)」はもう抱腹絶倒ものです。
当時の人たちの階級意識なんかもよくわかる
いわゆる光源氏の女遍歴のイントロみたいな部分。
左馬頭(さまのかみ)が上流の家柄の女と中流のそれの違いを
したり顔で滔々と語るシーンです。
まあ、ここは高校時代に読んだ教科書の通釈でも
勝手なこと、ほざいてからに・・・
と笑えましたけど、リンボウ先生のは大笑いです。
ある程度、年とってから読むと、それなりに思い当たる節もあり
大笑いしながらも、ちょっと心がざらっとしたりして・・・。
そして、美しい装束の描写、お洒落な紙につづるラブレターなどなど
ため息ものです、その美しさ、まさに日本の美って感じです。
それに、なんだかんだといっても、やはり魅力的なんですよ
美しく、しかも情熱的な平安男子って。
平安貴族っていうと、しゃなりしゃなりって感じですが
とんでもない、光源氏はじめ当時の男子って肉食系男子なんです
仕事が終わって、女の家へ、そして明け方帰宅。
で、また仕事、今度は別の女の家へ、そして明け方帰宅。
なんで、そんなに元気なの?なんか飲んでるの?
と、平安男子たちのエネルギーには、ホント圧倒されます。
とにかく、そういういろいろな要素がぎっしりと詰まった超大作を
リンボウ先生はコツコツと丁寧に訳してくれました。
原稿用紙にして6000枚くらいになるらしいです。
そして、リンボウ先生は
恋人に送る歌を訳すだけでなく
いわゆる古歌取りのその古歌の訳はもちろん
どの言葉とどの言葉がかけてあるとか、非常に丁寧に訳してくれています。
とてもわかりやすいです。
だんだん読み慣れてくると
古文さっぱりわからない私ですら
源氏の君が「催馬楽(さいばら)」を歌うと
「いよいよか?」と、わかるようになります。
原文に忠実に、しかもわかりやすく面白く・・・
まさに謹厳実直な訳、ということで、謹訳、らしいです。
まだ読破したことのない方にも、久しぶりにまた読んでみようか、という方にも
超おすすめの「源氏物語」です。
謹訳源氏物語1
帚木(ははきぎ)
空蝉(うつせみ)
夕顔(ゆうがお)
若紫(わかむらさき)
謹訳 源氏物語 一
謹訳 源氏物語 一
謹訳源氏物語2
紅葉賀(もみじのが)
花宴(はなのえん)
葵(あおい)
賢木(さかき)
花散里(はなちるさと)
謹訳 源氏物語 ニ
謹訳 源氏物語 ニ
謹訳源氏物語3
明石(あかし)
澪標(みおつくし)
蓬生(よもぎう)
関屋(せきや)
絵合(えあわせ)
松風(まつかぜ)
謹訳 源氏物語 三
謹訳 源氏物語 三
謹訳源氏物語4
朝顔(あさがお)
少女(おとめ)
玉鬘(たまかづら)
初音(はつね)
胡蝶(こちょう)
謹訳 源氏物語 四
謹訳 源氏物語 四
年明けの5巻がとっても待ち遠しいです。
そうだ!
息子が高校時代使っていた「源氏物語」の参考書が、確か納戸にあったはず・・・PR
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