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わが町知多半島に空港ができました。セントレア空港。いつでも飛んでいけるぞ、空の彼方へ、考えただけで幸せな気分。飛行機見ながら、ちょい福求めてぶらぶら歩いてみようかな、と。
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先日読んだ「チーズと塩と豆と」で
かなり気になっていた井上荒野(あれの)さん、さっそく読みました。
 
父上は作家の井上光晴氏。
作家の吉本隆明氏の娘さん「よしもとばなな」が筆名であるように
当然、「井上荒野(あれの)」という名も筆名だと思っていたのですが
なんと、本名でした。
ちなみに、ばななさんの本名は吉本真秀子(まほこ)さん。
 
ぽ~んと娘を「荒野」においてけぼりにする父親、まるでライオンのように・・・
獅子は崖から子供を突き落とすって言うよね
などと勝手なことを想像しながら、荒野さんのプロフィールをググッてみました
 
荒野さんは1989年に「私のヌレエフ」でフェミナ賞を受賞し、作家デビュー。
しかし、その後、小説が書けなくなったらしい。
で、2001年に再起。2008年、「切羽へ」で直木賞受賞。
あぁ、やはり父上のつけた名前通り、這い上がってきたんですね、荒野さん。
 
sizukononitijo.jpg私が読んだ「静子の日常」は、去年、出た本です。
賞を獲った本を読もうかと思ったんですが
図書館の荒野さんの棚で
「今、あなたに必要なのは、ほかでもない、この本よ」と
強く主張していたんです。


静子の日常
 

静子さんは75歳のおばあちゃん。息子家族と同居しています。
う~む、私も、将来、息子家族と同居する可能性あるねぇ。
 
とにかく、彼女は、とっても前向きに生きているんです。
そして、とってもチャーミングに生きているんです。
でも、結構、シビアでもあるんです。
 
ややもすると、余計なお世話になりそうなことも
静子さんは、持ち前のユーモアのセンスでお茶目にさらっとこなしてしまいます。
だから、家庭内でも全然お荷物にならないんです。
 
高校時代の数学のK先生の口癖は「ろくな婆さんになれんぞ」でした。
私は、できの悪い生徒で、その癖、口だけはいっちょまえだったので
よく言われましたよ、「あんた、ろくな婆さんになれんぞ」と。
「余計なお世話です!」とかなんとかかんとか減らず口をたたくので
K先生は、私が本当にたま~になんですが
さらさらと問題が解けたとしても
宿題をきちんと忘れずにやってきたとしても
顔を見るなり、ろくな婆さん発言になりまして・・・。
今なら、セクハラもんですけど。
 
いえいえ、決して、険悪な雰囲気ではないんです。
「ろくな婆さんになれんぞ」を聞きたくて
私、わざわざ「この問題わかりません」と職員室に押し掛けたくらいですから・・・。
 
「静子の日常」を読みながら、私、数学のK先生を思い出しました。
憎めないじいさんだったんですよ、飄々としていて。
 
静子さんとK先生、ものすごく似ているわけではないけれど
いたずらで、茶目っ気があって
可愛く年をとっている感じはなんとなく相通ずるものがあって。
 
老いても、ポジティブに、そしていろんなことに夢中になって
毎日楽しく暮らしたいですね、静子さんみたいに。
 
井上荒野さん、うまいね、いいね。
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